【代替制度あり!】公務員は退職後に失業保険を受給できない

退職


こういったお悩みにお答えします。

この記事を書いた人
あ お き
  • 頑張るほど激務が与えられる公務員の組織に絶望
  • 公務員の労働環境は今後悪化していくと予想し退職
  • フリーランスに転身し、3年目には公務員時代の収入を抜き去る
  • 好きな時間に寝起きする気ままな生活

 

公務員は退職後に失業状態になってしまっても、失業保険を受け取ることはできません。しかし、世の中には失業保険の代わりに生活を支えてくれる制度があります。知らないと大損してしまうかもしれませんね。

この記事では

これらについて解説していくので、最後まで読むと失業保険の代わりになる制度やその支給要件がわかります。

公務員からの退職を検討している人は以下の記事も合わせてお読みください。

公務員は退職後に失業保険を受給できない

この記事を読んでいるということは、あなたは公務員を退職後、失業状態になる可能性があるということでしょう。

民間企業の社員であれば、失業状態になると失業保険(失業手当)を受給することができるのですが、残念なことに公務員はその対象外です。

ええっ!?なんでえええ!?

失業保険はそもそも雇用保険に加入している人のためのもの。公務員は民間企業の社員より身分が安定していることなどを理由として雇用保険に加入しないこととなっているためです。

雇用保険法 第6条(適用除外)次に掲げる者については、この法律は、適用しない。
(中略)国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用される者のうち、離職した場合に、他の法令、条例、規則等に基づいて支給を受けるべき諸給与の内容が、求職者給付及び就職促進給付の内容を超えると認められる者であつて、厚生労働省令で定めるもの

このように、公務員は雇用保険法で「適用除外」とされています。

公務員退職後に失業しちゃったら終わりってコト!?

失業保険の代わりにあるのが退職手当制度

雇用保険に加入していないため失業保険がもらえない公務員ですが、その代わりに退職後の生活を守ってくれるのが退職手当制度です。いわゆる退職金ですね。

退職手当は1年以上在職していた職員を対象に

    退職手当=基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給割合)+調整額

このような計算式で算出された金額が支給されます。

勤続年数が長いほど「退職理由別・勤続期間別支給割合」の値が上昇していくため、退職手当の額がガッツリと増えていきます。

(退職手当について詳しくは別記事で解説する予定です。)

公務員にとっては当たり前に感じるような退職手当ですが、民間企業では4社に1社が退職金制度がないと言われている中、もらえるだけでありがたいですね。

でも、退職手当が少ない人はどうするの?

条件を満たす場合は「失業者の退職手当」も

退職手当の金額が少ない+失業状態であるなどの条件を満たす場合は「失業者の退職手当」が別途支給される場合があります。

名前こそ「退職手当」ですが、退職時に組織から支給される退職手当とはまったく別のものなので注意しましょう。

「失業者の退職手当」の支給要件

失業者の退職手当を受け取るには

  • 勤続期間が12ヶ月以上で退職した職員である
  • 退職手当の額が、雇用保険法の失業等給付相当額に満たない
  • 退職の日の翌日から起算して1年の期間内に失業している
  • 待期日数を超えて失業している

これら4つの(かなり厳しい)要件をすべて満たす必要があります。「退職手当が少ない」「失業状態にある」という2つの要件が特にポイントですね。

退職手当の額が、雇用保険法の失業等給付相当額に満たない

「雇用保険法の失業等給付相当額」がよくわからない人も多いでしょう。これは「もしあなたが雇用保険に入っていたとしたら、これくらい支給されるよ」という支給額です。

実際にあなたが受け取るお金ではないためイメージしづらいと思いますが、「そういう金額があるんだ」とご理解ください。

この「雇用保険法の失業等給付相当額(Aとします)」と比べて、「あなたが退職時に受け取った退職手当の額(B)」が少なければ要件を満たしていることとなります。

「失業者の退職手当」はこの両者の差を埋めるもの。退職手当が少ない人に対して「失業保険と同レベルまで支給してあげよう」という考え方ですね。

そのため「失業者の退職手当」の支給額はB-Aが限度となります。

退職手当が少ないほど「失業者の退職手当」を狙うメリットが大きくなるため、該当する人は狙ってみるといいでしょう。

なおAがBより小さく、要件を満たすかどうかは勤務先が計算してくれる可能性があります。国家公務員に関しては、失業者の退職手当支給規則で

(退職票の交付)第三条
所属庁等の長(法第八条の二第一項に規定する各省各庁の長等をいう。以下同じ。)は、退職した者が法第十条第一項又は第二項の規定による退職手当(以下「基本手当に相当する退職手当」という。)の支給を受ける資格を有している場合においては、別記様式第一による国家公務員退職票(以下「退職票」という。)をその者に交付しなければならない。

このように定められています。

ここで言う「退職手当の支給を受ける資格を有している」が「B-A>0を満たしている」ということ。すなわち勤務先としては、あなたが退職するときに退職票を交付すべきかどうか判断するためにB-Aを計算する必要があります。

要件を満たしている場合、あなたが何も言わなくても勤務先から退職票が交付されるとは思いますが、不安であればあらかじめ確認しておくのが望ましいでしょう。

失業の定義にも注意

失業とは、ただ単に職に就いていないことではありません。

雇用保険法第4条第3項では

この法律において「失業」とは、被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にあることをいう。

と定義されており「働きたいけど働けない」という状態であることが必要です。具体的には、公共職業安定所(ハローワーク)で証明書を発行してもらわなくてはなりません。

もしあなたがこれらの要件を満たす可能性がある場合は、交付された退職票を持って公共職業安定所へ行きましょう。

なお申請時に必要になる退職票については以下の記事で詳しく解説しています。

すでに始まっている”公務員の泥船化”


公務員の労働環境は今後どんどんブラック化していきます。

  • あいつ俺より働いてないのに給料は俺より上…やってらんね~よ
  • 俺の仕事、周りと比べてやたら多くないか!?

こんなふうに思ったことがある人は要注意。このまま働き続けていると、あなたをとりまく労働環境の悪化によって心身の健康を損ね、人生が台無しになってしまうかもしれません。

公務員組織からは優秀な人材がどんどん流出していき、もはや沈みゆく船。あなたはこの泥船とどのように付き合っていきますか?

詳しくは下記のnoteをお読みください。約1万3千字で公務員の将来像についてガッツリと解説しています。

泥船と知りつつこの船に乗り続けるのか、それとも逃げ出すのか…その判断をする一助になれば幸いです。

『公務員は離職票の代わりに退職票が交付される』のまとめ

雇用保険に加入していない公務員は、退職の際に離職票が交付されません。「失業者の退職手当」の受給要件を満たす人には、離職票の代わりに退職票が交付されるため、手当の申請に使いましょう。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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