【ボーナスを狙おう】公務員が退職するのにおすすめの時期
こういったお悩みにお答えします。
公務員を退職するとき、時期を選ぶのはとても大事です。適当に退職日を決めてしまうとボーナスをもらいそびれ、何十万円も損をしてしまうかも。
この記事では
- 公務員のボーナス支給時期に関する規定
- ボーナスを狙った退職なら5月か11月
- ボーナスを狙った退職のメリットとデメリット
- 経済的に最も効率がいい退職日は5/1
- ボーナスを考慮しない場合におすすめの退職時期
- どうしても退職を切り出しづらいときは…
- 公務員が「泥船化」する原因と、今日からできる対処法
これらについて解説していくので、最後まで読むと公務員にとって最も得になる退職のタイミングがわかります。
公務員からの退職を検討している人は以下の記事も合わせてお読みください。
公務員のボーナス支給時期に関する規定
公務員のボーナス(賞与)は、以下の2回に分けて支給されます。
- 夏のボーナス:6月下旬~7月上旬
- 冬のボーナス:12月上旬~中旬
これらボーナスの支給対象となるのは
- 夏のボーナス:6月1日
- 冬のボーナス:12月1日
それぞれの基準日に所属している職員です。
国家公務員
国家公務員に関する法律を見てみると、期末手当及び勤勉手当の支給についてでは
第十九条の四 期末手当は、六月一日及び十二月一日(以下この条から第十九条の六までにおいてこれらの日を「基準日」という。)にそれぞれ在職する職員に対して、それぞれ基準日の属する月の人事院規則で定める日(次条及び第十九条の六第一項においてこれらの日を「支給日」という。)に支給する。これらの基準日前一箇月以内に退職し、又は死亡した職員(第二十三条第七項の規定の適用を受ける職員及び人事院規則で定める職員を除く。)についても、同様とする。
このように定められており、基準日の1ヶ月以内に退職した職員も対象となります。
つまり5月中に退職しても夏のボーナスが、11月中に退職しても冬のボーナスが支給されるんですね。こんな決まりがあるなんて、知らなかった人も多いのではないでしょうか。
地方公務員
地方公務員に関しても国家公務員と同様のケースが多いです。
例:茨城県
ア 支給対象職員
・ 基準日(6月1日、12月1日)に在職する職員(ただし、下表に掲げる職員には支給されない。)
・ 基準日前1月(5月1日、11月1日)以内に退職し又は死亡した職員
出典元:期末手当及び勤勉手当
多くの自治体で、基準日前1ヶ月以内に退職した職員もボーナス支給の対象になるよう定められています。
例外があるかもしれないので、退職を検討している人は所属している自治体の規則を確認してみてください。
ボーナスを狙った退職なら5月か11月
- 夏のボーナスを狙う:5月1日以降
- 冬のボーナスを狙う:11月1日以降
上記のタイミングだと、それぞれのボーナスを受け取りつつ退職することができます。
GWが明け、職場に行きたくなくてそのまま退職…というケースでも夏のボーナスがもらえるということ。
あるいは年休が20数日余っていれば、年度明けから一度も出勤せずに年休消化期間に入り、退職日を5月に設定してボーナスをゲット!ということも可能です。
実行するかどうかはさておき、一応覚えておきましょう。
「基準日の1ヶ月前」という決まりを知らずに4月や10月あたりに退職してしまうと、非常にもったいないです。「あと数日働く(退職日を遅らせる)だけで数十万円手に入ったのに…」なんて大損してしまう可能性があります。
年休消化期間の終了日=退職日として設定する人が多いと思いますが、それが何月何日になるのか事前にしっかりと計算しておきたいですね。
組織と交渉するのも忘れずに
ボーナスを狙った退職のメリットとデメリット
ボーナス狙いで退職日を決めることのメリットとデメリットは以下のとおりです。
ボーナスを狙った退職のメリット
- 退職後の経済的余裕が生まれる
- ボーナス狙いだとバレづらい
- 退職を躊躇している人にとってきっかけとなる
退職後の経済的余裕が生まれる
ボーナスを狙って退職すると、当然ながら経済的なメリットがあります。退職のタイミングで数十万円のお金が手に入るかどうかの違いは大きいですよね。
雇用保険に加入していない公務員は失業手当を受給することができません。退職手当(退職金)は受け取れるものの、勤続年数が少ない若手職員だと十分な金額ではないことも。
退職直後から収入が完全に途絶えることになるため、ボーナスは非常に大きな存在です。少しでも余裕をもって退職後のアクションを起こすためにも、しっかり受け取っておきましょう。
ボーナス狙いだとバレづらい
ボーナスが狙えるタイミングで退職したとしても、そのことに気づく人はほとんどいないのもメリット。
ほとんどの職員は、上でお伝えした「基準日の1ヶ月以内に退職した職員もボーナスの対象になる」という決まりなんて知りませんからね。
この記事を読む前のあなたも、5月や11月に退職した職員が身の回りにいたとして「あいつボーナス狙いだな」とは思わなかったでしょう。
多くの人が知らない裏技のようなもので、周囲にばれずに賢くボーナスをゲットできるのがうれしいですね。
退職を躊躇している人にとってきっかけとなる
「公務員を退職したいけど、切り出すのが気まずいなぁ」と思いながらズルズルと退職を先延ばしにしている人にとって、ボーナス支給のタイミングは一つのきっかけになるでしょう。
あらかじめ年休消化期間を確認しておき、次のボーナスがもらえるように退職日を設定することによって、計画的に退職手続きを進めることができます。
余裕をもって動き出せば、引き継ぎなどもスムーズに進むはず。あなたも試しに「次のボーナスを受け取りつつ退職するとしたら、職場に行くのはいつまでなんだろう」という計算をしてみてはいかがでしょうか。
ボーナスを狙った退職のデメリット
退職のタイミングが遅れる
ボーナスを狙うあまり、退職の決断を先延ばしにしてしまうリスクがあります。「あと数日待てばOK」という状況ならあまり問題にはならないでしょうが、「あと半年近く待たないと…」というケースもあるでしょう。
ボーナスは確かに魅力的ですが、そのせいで退職日が何ヶ月も延び、あなたがメンタルを壊してしまっては元も子もありません。退職が遅れれば、そのぶん次のステップに進むのも遅くなってしまいます。
あなたの人生にとってなにを優先するか、長期的に考えたうえで次のボーナスがもらえるタイミングまで待つかどうかを判断したいですね。
ボーナスを待たずに決断するのがおすすめです
職場に迷惑がかかる
これは「ボーナスを狙ったから」というよりは「年度末以外の退職だから」生じるデメリット。年度末以外のタイミングで退職すると、業務の割り振りや代替要員の確保などのため組織の対応が大変になります。
退職を報告した後の面談では、退職時期の調整について強く交渉されるかもしれません。あなたとしても、なかなか「ボーナスのために5月まで在職したいです」とは言いづらいのではないでしょうか。
スムーズに退職するには、退職日を年度末に設定するのが無難。あなたのメンタルと受け取れるお金などを天秤にかけて判断しましょう。
退職手当を重視するなら勤続年数を意識しよう
「退職時期により手当の支給額が変わる可能性がある」という点では、退職手当もボーナスと同じ。退職時期を決める際には合わせて考えるのがおすすめです。
- 退職手当=基本額(退職日の俸給月額 ×退職理由別・勤続期間別支給割合)+ 調整額
退職手当の金額は上記の式で算出されます。これらの変数の中でダントツで大事なのが「退職理由別・勤続期間別支給割合」。
退職時の俸給月額に掛け算されるため、この値が1上がるだけで俸給分(=数十万円)の退職金が増えます。
退職手当の計算について詳しくは別記事をお読みください。
>>(執筆中)
出典元:内閣官房
退職理由別・勤続期間別支給割合は勤続年数(小数点以下切り捨て)によって値が変わるので、中途半端な月数で退職すると損をしてしまいます。
4月採用であれば、3月退職をするのが退職手当の観点からは効率がいいです。切り捨てられる月数がゼロですから。
夏のボーナスを狙った退職(5月退職)であればあまり気になりませんが、冬のボーナスを狙った退職(11月退職)だと迷う人もいるかも。
「あと4ヶ月我慢して退職日を3月にし、退職手当を増やそう」と判断するのかどうか、あなたの職場環境や精神状態・貯蓄額などを総合的に考えて判断してください。
ボーナスを考慮しない場合におすすめの退職時期
ボーナスや退職手当の観点からお得になる退職日をお伝えしてきましたが、決してこれらのタイミングでの退職をおすすめしているわけではありません。
あなたがいつ退職するのかは経済面だけでなく、感情面や転職先の都合などさまざまな状況を考慮してうえで決めましょう。
年度途中の退職はなるべく避ける
年度途中に退職すると周囲の職員に大きな負担をかけるだけでなく、後任の確保も難しくなってしまいます。年度途中で後任者を連れてくるということは、その後任者がもともと在籍していた所属にも迷惑をかけるということ。
あなたが所属している組織に対して「お世話になった」と感じているのなら、なるべく年度末に退職日を設定するのが無難でしょう。
精神的に限界な場合や、所属から理不尽な扱いをされて恨み骨髄な場合はまったく考慮する必要はありませんが。
年度途中で退職する場合の注意点は以下の記事で詳しく解説しています。
転職や再就職のタイミングに合わせる
あなたが公務員を退職後に転職を予定している場合、転職先の都合が非常に重要です。
「今後関わらないであろう今の公務員組織」と「今後ずっとお世話になる予定の転職先」、どちらの都合を優先させるべきかは一目瞭然でしょう。
スムーズに次の会社での勤務を開始できるよう、転職先の状況や受け入れ態勢などをよく確認して時期を決めたいですね。
年休はすべて使い切るのもお忘れなく
どうしても年休消化できない人は…
- 退職を報告しても無視される
- 上司が退職願を受理してくれない
- 退職時に年休を使い切らせてくれない
こんな人は弁護士が運営する退職代行サービスを利用して、年休をすべて使い切りつつスムーズに退職するのがおすすめです。弁護士であれば退職願の作成・提出や年休取得などの交渉も可能。
- もう二度と職場に行きたくない
- 退職手続きでストレスを受けたくない
- 自分の権利はしっかりと行使したい
こんな悩みを解決してくれるでしょう。
退職代行は自力では年休を取得させてもらえない人には必須のサービス。公務員の給料は日割り計算で支給されるため、年休1日=1万円くらいの価値があります。年休を20日使うことで月給(20~30万円)くらいの収入になりますからね。
すなわち20日の年休を余らせたまま辞めるのは、30万円をドブに捨てる行為と同じなのです。
- 弁護士に5万円払うと、30万円もらえるうえに手間とストレスも減る
こんなサービスがあったら、使わない人はいませんよね?
転職するにせよ一旦休むにせよ、公務員退職後はなにかとお金が必要なもの。あなたが持っている権利はしっかりと使い切って賢く退職しましょう。
なお世の中にはたくさんの退職代行サービスがありますが、公務員が利用できるのは「弁護士が運営するもの」一択です。民間業者・労働組合が運営主体だと、退職願の作成や年休取得の交渉をすることができませんからね。
公務員が「泥船化」する原因と、今日からできる対処法
残念ですが、公務員という安定していない職業を選んだ人は、今後どんどん悪化していく労働環境と向き合っていかなくてはなりません。公務員はもはや「沈みゆく泥船」なのです。
- ほとんど仕事をしてない人が高給取りなのはおかしい
- 割り当てられる仕事量が、周りと比べてやたら多く感じる
- 古くて非合理的な仕組みが多く、やりがいを感じられない
こんなふうに思ったことがある人は特に要注意。このまま思考停止で働き続けていると、悪化していく労働環境に押しつぶされ精神を病むなど人生が台無しになってしまうかもしれません。
筆者も以前は公務員が泥船であることに気づかず、「定年まで公務員なんだろう」と思考停止で過ごしていました。組織への不満や理不尽さにモヤモヤを感じながらも「社会ってこんなもん」と自分を納得させながら過ごす日々。
しかし、ある年の人事異動により状況が激変しました。理不尽な業務量により忙殺される毎日が始まったのです。周囲からの助けや理解も得られず、「なんで自分だけこんな目に合うんだろう…」とひとりで悩み続けていました。
そんな生活を続けるうち「このままでは、自分の心身が壊れてしまう」と強い危機感を抱き、自分の身を守るために行動を始め、公務員を退職するに至ったのです。
もしあのまま思考停止で公務員生活を続けていたら、今頃はどうなっていたかわかりません。かなりの高確率でうつ病などを発症していたのではないでしょうか。
公務員を退職した今では、フリーランスのブロガー・ライターとして楽しくお金を稼ぎながらストレスのない生活を送っています。
ここで提案なのですが、あなたも今から対策を打っておきませんか?
あらかじめ準備をしておくことで、いざというときに選択肢を増やすことができます。精神的に追い詰められてなお公務員にしがみつき、心身の健康を損なってしまう…そんな最悪の未来を避けることができるでしょう。
各種法令による制限を受けている公務員ですが、在職中でも自分の身を守るために打てる手はあります。
- 筆者が脱公務員を意識するようになってから始めたこと
- 在職中は知識不足で始められず、退職後に後悔していること
下記のnote記事ではこれらについて紹介しているので、「公務員生活に不満はあるが、なにをすればいいかわからない」という人も行動を始めやすくなるでしょう。
- 記事の前半:公務員組織の現状と将来予測
- 記事の後半:在職中の公務員が今日から取るべき対策
記事はこのような二部構成になっています。もともとは別の記事としてリリースする予定だったものを1本にギュッとまとめました(その結果としてかなりの大ボリュームに…)。前半の情報が頭に入っていないと、後半の「対策」に取り組む人の割合がガクっと下がってしまうと考えたためです。
記事の執筆にあたっては、信頼できる公的資料をベースにするのはもちろんのこと
- 元公務員として、内側からの視点
- フリーランスとして、外側からの視点
この両面から分析することではじめて見えてきた内容を数多く記載しています。まずは前半部分で、あなたを取り巻く職場環境がなぜ悪化していくのかを把握してください。そのうえで、後半部分で解説している対策に取り掛かるのがおすすめです。
「泥船」という例えのとおり、行動を起こすのも実際に逃げ出すのも早い者勝ちです。早期に行動を始めることで、半年後・一年後には周りの職員と大きな差をつけることができるでしょう。
note記事の冒頭部分(2,000文字以上)は無料で読めるため、気になった人は一度ご確認ください。
※販売部数が増えるごとに値上げしていく予定なので(購入していただいた方に申し訳ないので、値下げは絶対にしません)、購読するならお早めにどうぞ。
『【ボーナスを狙おう】公務員が退職するのにおすすめの時期』のまとめ
- 基準日の前1ヶ月以内に退職した職員もボーナスの支給対象となる
- ボーナスの面からは5月か11月の退職が効率的
- 最も重視すべきはあなたのメンタルや転職先の都合
ここまでお読みいただきありがとうございました!
公務員からの退職を検討している人は以下の記事も合わせてお読みください。公務員退職の現状に関する知識から実際の退職手続きまでを1記事で網羅的に理解できます。